日本「EVで韓国に完敗」――市場は3倍でも販売4倍差、全方位の分散と「集中投資」の速度差とは
BYDの日韓比較

BYDの日韓での動きを並べてみると、売り方と受け止められ方の差がはっきりと見えてくる。韓国では2025年4月に販売を始め、年末までの8か月で6108台を売り切った。輸入車ブランドとしては早い段階で上位10社に入り、市場に名前が定着したといってよい。
韓国で投入されたのは、SUVの「ATTO3(アットスリー)」、セダンの「シール(海豹)」、SUVの「シーライオン7(海獅07)」の3車種だ。いずれも同クラスの競合車と比べ、1000万ウォンほど低い価格を前面に出している。性能や使い勝手を冷静に比べる層にとって、数字の差はわかりやすい。価格の説得力が、そのまま関心につながった。
BYDは2026年に年間1万台超の販売を目標に掲げる。小型車「ドルフィン(海豚)」を含む新型EVを3車種以上追加し、さらに需要が伸びているハイブリッド分野に向けて、プラグインハイブリッドの「DM-i」を積んだモデルも導入する予定だ。拠点網も手を緩めていない。現在はショールーム32か所、サービスセンター16か所だが、年内にそれぞれ35か所、26か所へ広げる計画で進んでいる。
日本での歩みは様子が異なる。日本では韓国より3年早い2022年7月に参入したが、2025年の販売は3000台余りにとどまった。韓国のほぼ半分である。店舗数を見ると、日本は2025年末時点で69か所を展開し、将来的には100か所規模を目指している。数だけを比べれば、韓国の倍以上だ。
それでも販売台数は逆転している。拠点を広く張り巡らせることが、そのまま成果につながるわけではないことが浮き彫りになった。韓国は国土が日本の4分の1ほどで、人口の約半数がソウル周辺に集中する。限られた場所に接点を置き、高い回転率を確保しやすい条件がそろっている。
日本では広域に店舗を構える分、維持にかかる負担が重くなる。その一方で、都市部の生活者が重視する時間効率や、オンラインで比較し絞り込んでから来店する動きへの対応は十分とはいい切れない。韓国での結果は、広さよりも密度を意識した接点づくりと、無駄の少ない流通の組み立てが、販売効率を左右することを示しているだろう。