トヨタが突きつける「日本市場の賞味期限」――セダン比率わずか6%、巨艦タンドラが映す都市環境との大ギャップとは
量販ではなく「市場の隙間」を突く商品戦略

市場の様子を俯瞰すると、国内の新車販売は2025年におよそ456万台規模と見込まれるものの、セダンの存在感は年々薄れている。車名別のデータをもとに、セダンを設定する車種を拾い上げると、構成比は約6%にとどまる。一般にいわれる7~8%という数字と比べても差は小さく、市場が限られている点に変わりはない。
いまの日本では、セダンは特定の価格帯や使われ方の空白を補う役割へと寄ってきた。今回の3車種も、販売規模を追うというより、既存のラインナップでは手当てできていなかった領域に置かれている。
価格の見通しを整理しておく。米国での開始価格は、カムリが2万9100ドル、ハイランダーが4万5570ドル、タンドラが4万1260ドルだ。為替を1ドル150~160円で置いて換算すると、カムリは約437~466万円、ハイランダーは約684~729万円、タンドラは約619~660万円になる。
日本での販売価格はまだ明らかになっていないが、輸送や保証、販売体制の整備といった実務面の費用が上乗せされる分、数字は上に振れやすい。カムリについて国内で500万円台という見方が出ているのも、こうした前提を踏まえれば不自然ではない。注意したいのは、日本側の完成車関税がゼロである点だ。価格を押し上げる要因は関税ではなく、物流や在庫管理、部品供給の体制づくりといった現場のコストに集約される。
それぞれの車種が担う役割も見えている。カムリは、国内生産の終了によって空いたセダンの枠を埋め、法人需要や堅実な層の受け皿になる。米国では2025年通年で31万6185台が販売されており、その量産を前提とした供給を日本に回す判断には現実味がある。ハイランダーは3列シートSUVとして、RAV4とランドクルーザーのあいだを補う位置に立つ。ミニバンほどの大きさは避けたいが、人数や荷物には余裕を持たせたい層に合う。タンドラは、正規導入による保証や整備の安心感を前面に出し、並行輸入にためらいを感じていた層へ選択肢を示す存在になる。
これらの逆輸入車は、これまで取りこぼしてきた需要を拾い上げる性格が強いだろう。