トヨタが突きつける「日本市場の賞味期限」――セダン比率わずか6%、巨艦タンドラが映す都市環境との大ギャップとは

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米国生産のトヨタ車3車種が日本に入る。2025年末導入、456万台規模に縮む市場で、関税・制度・供給を織り込んだ選択は何を変えるのか。

逆輸入を現実にする制度変更の追い風

国土交通省のイメージ(画像:写真AC)
国土交通省のイメージ(画像:写真AC)

 今回の逆輸入を、政治面の備えだけで読み解くのは足りない。制度の側でも、導入を現実的なものにする動きが重なっている。

 米国の安全基準で認証された車両を、日本側で受け入れる際の追加試験を抑える枠組みが検討されている点だ。国土交通省は2026年の早い時期に「大臣特例制度」を新たに設ける方針とされる。

 実現すれば、これまで必要だった認証にかかる費用や手続きの手間、発売までの時間が短くなる。少ない台数でも採算を見込みやすくなり、輸入という選択肢が現実味を帯びる。国内市場が縮むなかで、日本向け専用モデルを抱え続ける負担は増している。海外で量産されているモデルをそのまま活用し、開発への投下資金を抑える流れとも噛み合う。

 この見直しの意味は、試験項目が減るかどうかに尽きない。認証の扱いは、輸入にともなう非関税障壁の中心にあり、メーカーにとっては費用以上に、発売時期が見えなくなる点が重荷だった。制度が整えば、導入判断の前提が変わる。販売規模を読み切れない車種でも、一定数を市場に出して反応を見る余地が生まれる。

 逆輸入を現実的な選択に押し上げる力は、政治的な打ち出しよりも、こうした実務面の変化にあるのだ。

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