一度は消えた「駅ビル展望台」――いま“マチの顔”として復活している根本理由
2025年秋、東京・高輪と大阪・淀屋橋で高さ約150mの無料展望施設が相次いで誕生した。かつて合理化で消えた「展望」が、体験型・滞在型として再評価される理由を、都市と商業の変化から読み解く。
外国人観光客が再発見した「展望の価値」

展望施設にとっての「冬の時代」に、その価値を再発見させてくれたのは外国人観光客だった。東京都庁45階展望室や東京タワーといった定番スポットはもちろんのこと、今や都内各地にある「眺めのいい場所」には有料・無料を問わず常に外国人観光客の姿がある。
とくに富士山が見えるところは人気スポットとなっており、例えば至近の駅ビルが充実したこともあって一時期少し閑散としていた恵比寿ガーデンプレイス38階の無料展望台「スカイラウンジ」(東京都渋谷区)は今や観光客でいっぱいに。その影響もあって同フロアにある飲食店街にも多くの外国人観光客が訪れ、賑わいを見せるようになった。
また都心エリアの眺めがいい飲食店街も同様だ。都心では座って休憩できるところも少ない。休憩のためにカフェなどに入るのであれば「自分の国とは違う街を眺められる場所に行こう」と思う人も多いのであろう。SNSやネットの口コミで知ったのであろうか、丸の内ビルディング(丸ビル)35階・5階(東京都千代田区)やカレッタ汐留46階(東京都港区)にある無料展望スペースはもちろんのこと、それぞれに併設されている飲食店街にも外国人観光客が絶えることはない。高輪ゲートウェイシティや淀屋橋ステーションワンの展望施設も、そうした流れのなかで生まれたものであるといえよう。