一度は消えた「駅ビル展望台」――いま“マチの顔”として復活している根本理由
2025年秋、東京・高輪と大阪・淀屋橋で高さ約150mの無料展望施設が相次いで誕生した。かつて合理化で消えた「展望」が、体験型・滞在型として再評価される理由を、都市と商業の変化から読み解く。
眼下に広がる「鉄道たちが織りなす風景」

特筆すべきは、「山吹の庭」から眺める「鉄道たちが織りなす風景」の美しさ。大都市・東京の人々の生活を支えるJR在来線各線、そして東海道新幹線はもちろんのこと、新幹線の東京第一車両所(品川車両基地)に出入りする車両、羽田空港へと向かう東京モノレール、臨海副都心の足であるゆりかもめ等が絶え間なく行き交う様子に加えて、空には羽田へと向かう旅客機、海上には東京湾クルーズや伊豆諸島などへと向かう船、さらに眼下には東京総合車両センター(旧・田町電車区)で山陰・四国へと向かう旅支度をすすめる寝台特急の姿もあり、見ていて飽きない。その眺めはまさに「JR東日本からの贈り物」だ。
高輪ゲートウェイシティは現在も開発が続いており、2026年春に新たにレジデンス棟や複合文化施設が開業を迎えるほか、2027年度までには明治初期の鉄道遺跡「高輪築堤跡」を活用した史跡公園やギャラリーが完成する計画だ。新しい街に生まれた新しいスタイルの展望台は、街の発展に合わせてさらに人気を集めることになるであろう。