日本にカレーが広まったのは「スエズ運河」のおかげだった? 18世紀の“不便”が生んだ国民食の皮肉

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インドでカレーが生まれ、それが英国に伝わった背景には、19世紀以前の海上輸送力の不備があった。そして19世紀後半の海上輸送力の増大が、英国から日本へのカレー伝来をもたらした。

開国とともに日本に移住した英国人たち

幕末・明治期イメージ。
幕末・明治期イメージ。

 幕末に日本が開国すると、横浜の外国人居留地に、主に商売を目的とした外国人たちが移住することとなる。

 外国人移住者のなかで約半数という多数派を占めたのが、英国人であった。英国が中国との貿易で支配的な地位にあった関係で、近隣の日本との貿易においても、英国人商人が活躍したからである。

 明治政府や企業は、西洋の学問や技術を移入するために、外国人教師や技術者を日本に招へいした。いわゆる「お雇い外国人」である。

 お雇い外国人の多数派、約半数を占めたのも英国人であった。当時の英国が学問や技術における先進国であったことと、日本の教育における第一外国語が実質的に英語に定められたことが影響している。

 明治時代には既にスエズ運河と蒸気船の時代を迎えていたので、日本の英国人移住者は英国料理に必要な食材、例えばカレー粉を安価に輸入できた。

 こうして日本の英国人移住者たちは、移住当初からカレーなどの英国料理を作り、東京や横浜の自宅で食べていたのである。

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