「税金213億円」は何だったのか――東京・十条駅前再開発、莫大な予算の先に現れた“明るい廃墟”の正体とは
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東京都北区十条の39階建てザ・タワー十条は578戸中394戸が販売済みだが、1~2階商業施設ジェイトモールは空きテナントが目立ち、街の賑わい創出には課題が残る。
飲食店と住民の対立が生まれる懸念

気がかりなのは、飲食店のテナントとタワーマンションの住民の「対立」の可能性である。筆者が2025年に執筆した記事では、外部配信サイトに
「飲食店のにおいがマンションまで漂ってくるらしい」
というコメントが投稿されていた。この話が事実であれば、新たな問題を抱えることになる。
タワーマンションと飲食店の関係では、2025年3月に老舗のうなぎ屋と周囲に建ったタワーマンションの住民の間で、うなぎ屋の匂いが部屋に漂うとして住民から訴えがあった事例が話題になった。ジェイトモールのテナントとマンション住民の間でも、同様の問題が生まれる可能性がある。
また深夜営業や酒類の提供を巡って、マンションの管理組合と入居飲食店の間でトラブルになるケースは全国の区分所有マンションでも見られる。幸いザ・タワー十条は深夜営業が禁止される住宅地区ではなく、商業施設としての用途指定がなされていることは、不動産情報サイトでも確認できる。しかしトラブルが起きて出店規制が強化されると、魅力的なテナントが入らなくなる可能性がある。
・快適に過ごしたい「マンション住民のニーズ」
・モールやテナントがもたらす「賑わいのニーズ」
が相反すると、結果的に双方が損なわれる。この問題が現れると、再開発案件としての成功は危うくなるだろう。