もはや絶叫マシン? 貨物船の船員があえて「一番後ろ」で寝泊まりする5つの理由
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貨物船の居住区は安全性と経済性から船尾に集中する。しかし、代替燃料時代を迎え、船首配置が騒音やタンク容量、視界確保の面で再評価されつつある。実現の可能性が現実味を帯びる。
船尾配置が選ばれる経済的根拠

では、なぜ貨物船は船尾配置を選ぶのか。経済的な観点から考察する。
まず建造コストである。船尾には推進用の大型エンジンがあるため、その真上に居住区を置くと配管や配線を短くできる。これにより建造工数が減り、コスト削減につながる。また、船尾に上部構造物を集約すれば、船体中央部を貨物倉として最大限に活用できる。シンプルな構造は建造費だけでなく、メンテナンス費の削減にも寄与する。
運航面でも、1tでも多く貨物を運ぶことが収益に直結する。船首に居住区を置けば、貨物スペースが減少し、一航海あたりの収益も下がる。経済性から見ても、船尾配置が有利なのだ。
船首に居住区を置く例も存在する。コンテナ船では甲板上も貨物スペースにできるため、大型船では居住区を船体中央部や船首部に置く場合がある。このような船は球状船首形状を採用して風圧抵抗を低減するなど、外観も特徴的である。さらに、機関を24時間監視する体制を整え、重大事故の未然防止にも配慮している。
貨物船の居住区が船尾に置かれるのは、構造や経済性を考慮した結果である。しかし、時代の変化や代替燃料の普及に伴い、船首に居住区を置くアイデアが今後も議論されるだろう。これまで幻だった船首配置の居住区が、実現する可能性も見えてきた。