「エスコンって何者?」 知名度不足を“年間5億円”で逆転ホームラン――日本ハム新球場を自社名で染め上げた企業の正体
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日本ハムの北広島移転から3年。開閉式野球場を核とするFビレッジは、北広島市で年間500億円、北海道全体で約1000億円の経済効果を生む。全国的に無名だったマンションディベロッパー・エスコンのネーミングライツ獲得は、知名度向上と地域貢献の両立戦略として注目される。
大阪発マンションディベロッパーの仕掛け

では、このエスコンという企業はどのような会社なのだろうか。
ひとことでいえば、東京と大阪に本社を置くマンションディベロッパーである。マンションディベロッパーとは、土地を仕入れ、ゼネコンに工事を発注し、分譲販売する業態を指す。全国的にはほぼ無名だが、実は東証プライム上場で、資本金は165億円、年間売上は1136億円(2025年3月期)に上る大企業だ。上場企業であり、中部電力の連結子会社でもあるため、IR発表やプレスリリースも公開されており、決して「謎めいた企業」ではない。
公式サイトの会社概要と沿革を見ると、同社は1995(平成7)年に大阪市で株式会社デザート・インとして創業した。翌1996年に株式会社日本エスコンに社名を変更し、不動産関連業務受託事業と不動産企画販売事業を開始した。さらに1997年には不動産分譲事業も始めている。
不動産関連業務受託事業は、一般的にマンションディベロッパーの販売代理として業務を行うものである。不動産企画販売事業はさらに一歩踏み込み、土地の仕入れや設計企画、販売まで関わる事業である。
エスコンは最初に販売代理などで実績を積み、資金力を蓄えた上で、より利益の大きい分譲事業にシフトした。この動きは、マンションディベロッパーの典型的な成長過程といえる。
不動産経済研究所の調査によると、全国の新築分譲マンション供給戸数はバブル崩壊後の地価下落を受け、1992年の7万5000戸から1994年には18万8000戸へと急増した。以降、年間10万戸以上の大量供給は2007年まで続いた。
エスコンは、こうしたマンション大量供給時代の初期に、典型的なロールモデルに従って急成長したことがうかがえる。