「エスコンって何者?」 知名度不足を“年間5億円”で逆転ホームラン――日本ハム新球場を自社名で染め上げた企業の正体
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日本ハムの北広島移転から3年。開閉式野球場を核とするFビレッジは、北広島市で年間500億円、北海道全体で約1000億円の経済効果を生む。全国的に無名だったマンションディベロッパー・エスコンのネーミングライツ獲得は、知名度向上と地域貢献の両立戦略として注目される。
野球場名と企業名の一致

エスコンがネーミングライツとして支払った金額は、
「年間5億円」
10年間で50億円と報じられた。有価証券報告書によると、エスコンの2025年3月期における年間宣伝広告費は38億円である。年間5億円は決して小さくないが、宣伝広告費の範囲内で充分に賄える計算だ。
では、この投資の「効果」はどの程度か。金額として計算するのは難しい。
しかし、全国的には無名だったエスコンにとって、「エスコンフィールドHOKKAIDO」というやや長く覚えにくい名称は功を奏した。SNSや一部メディアでは、この野球場は「エスコン」と略されて呼ばれることが多い。道民や野球ファンは、意識せずとも「企業名」を繰り返し口にすることになる。
有名企業では同じことはできない。「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」を略して「マツダ」と呼ぶ人はまずいないだろう。
集客力や話題発信力のある野球場名が、企業名として認知・流布されるなら、エスコンの目論見は当たったといえる。
一方で、Fビレッジでは飲食などの消費が施設内で完結するため、周辺地域への経済波及効果が現れにくい。路上駐車の増加といった批判もある。施設全体への批判は、エスコンへの批判につながる可能性もある。
ただし、エスコンは企業版ふるさと納税を活用し、最寄り駅のJR北広島駅近くにある「北広公園」をリニューアルするなど、地域貢献にも取り組んでいる。知名度向上と並行して、こうした地域貢献をどうアピールするかが、ネーミングライツ成功のカギになるだろう。