物流危機「真の本番」はこれから? コンビニ欠品、配送料高騰、置き配強制――ついに剥がされる「過剰サービス」の仮面
働き方改革でトラック輸送能力は2024年度に14%不足すると警告された「物流の2024年問題」。だが実際の物流は需要減と効率化で沈静化。しかし置き配や配送回数削減で、消費者も徐々に痛みを感じ始めている。
実は始まっている物流クライシス

では本当に、「2024年問題」をはじめとする物流クライシスは発生していないのだろうか――筆者は、物流クライシスはすでに始まっており、その痛みは消費者にも伝わる段階に入ったと考えている。
一例として、「置き配の標準化」がある。置き配とは、配達員が不在時に荷物を玄関や宅配ボックスなどに直接置く配達方法である。標準宅配便運送約款が改正され、この手法が正式に配達手段として認められた。これに対し、防犯面や荷物の取り扱いを懸念する人々から反発の声が上がった。
もうひとつの例が、「オートロック解錠アプリへの補助金」である。配達員がスマホアプリでマンションのオートロックを解錠できる仕組みに、政府が補助金を出すというニュースだ。これに対して、セキュリティ低下を懸念する居住者から不安の声が相次いだ。
いずれも宅配、さらにいえば再配達を減らすための施策である。政府は2024年度中に再配達率を6%まで低下させる目標を掲げていた。コロナ禍以降、再配達率は11%台で推移しており、この目標達成は容易ではない。実際、最新の2025年10月の発表でも再配達率は8.3%で、目標には程遠い状況にある。
このふたつの施策は、広報や啓発による穏やかな「消費者の意識変容」を狙ってきた政府が、ついに消費者に痛みをともなわせる施策へ政策を転換したマイルストーンともいえる。