新宿の名門私鉄「海老名シフト」最終段階――本社一部移転、自ら新宿から「移住」する異例の本気度
小田急電鉄は海老名駅西口「ViNA GARDENS」にファミリー棟とホテル棟を建設し、全9区画の開発を完了する。海老名駅は1日約14万人が利用する鉄道の要衝で、本社一部移転により現場との連携も強化されている。
本社一部移転による現場一体化

小田急の海老名への集中投資の本気度を象徴しているのは、2023年2月に実施した本社機能の一部移転である。
新宿から海老名に移ったのは、交通サービス事業本部と経営企画本部・まちづくり事業本部の一部で、概ね鉄道事業などの現業に近い部門だ。一方、総務や人事などの管理部門は新宿に残った。
大手私鉄では、西武が1986(昭和61)年に池袋から所沢へ本社を移転、京王が1988年に新宿から多摩に、京成が2013(平成25)年に墨田区押上から市川に本社を移転している。ただし、これらは本社丸ごとの移転であり、一部移転ではない。西武はその後、2019年に持株会社などグループ3社の本社を池袋に戻したが、現業部門である西武鉄道は所沢から移転していない。
現業部門と管理部門で本社を分ける点では、小田急の一部移転は西武グループのやり方に近いといえる。
海老名は小田急小田原線のほぼ中間地点にあり、車両基地(海老名検車区)も置かれている。現業の現場と本社が一体化することで、業務の連携やコミュニケーションの円滑化が期待されている。
ViNA GARDENSは2028年に一旦完成予定だが、これに続く開発計画も既にあるという。小田急の海老名への集中投資は今後もしばらく続きそうだ。