「駅前タワマンはもういらない」 柏駅そごう跡地“86億円投入”が露呈させた、地方都市・駅前再開発制度の限界

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人口43万人超の首都圏ベッドタウン、柏駅東口が再生の局面を迎える。そごう柏店跡地の解体が進み、約5200平方メートルの駅前再開発計画が動き出す。複雑な地権構造や利害調整が課題となるなか、街の未来像は全国の関係者の注目を集める。

柏駅東口再整備の三案

かつての駅前の様子(画像:写真AC)
かつての駅前の様子(画像:写真AC)

 柏市は2024年度、旧そごう柏店本館の土地を含む柏駅東口駅前の再整備に向け、交通広場の再編や新たな改札口の配置などの方策を検討した。提出された案は三つである。

・既存のスカイプラザの場所を広場化し、施設を南北に集約した配置案
・南側への施設建築集約配置案
・賑わい施設囲い込み配置案

である。このプランでは、柏駅北口に新たな改札口を設置するほか、バスやタクシーのロータリーも再編し、半世紀前に整備された柏駅東口に大きな変化をもたらす内容となっている。

 また、柏駅周辺のまちづくりを担う柏アーバンデザインセンター(UDC)は、駅から半径500m以内の商店街や住宅地も含めた開発プランを提示している。そごう柏店当時と同規模の商業施設床面積を維持しつつ、パブリックスペースや住居を増やし、定住人口と交流人口の双方を増やすことを目指す。住居については現在の2倍の床面積にする計画もある。

 住居を増やしたいUDCの計画では、タワーマンションは有効に思える。しかし柏市長は

「駅前がタワマンばかりになるのを防ぐ」

として、そごう柏店の土地購入を決めている。目的は同じ駅前再生であっても、開発の方向性は大きく異なり、利害が交錯する状況となっている。

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