なぜ「日本車」「テスラ」だけ補助金優遇なのか?──127万円vs45万円の格差、BYD・ヒョンデ排除に透ける“対米追従”の歪み

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2026年1月から、EV補助金は最大40万円増額される一方、FCVは105万円減額される。補助金は車両価格の約20%に統一されるが、日米交渉にともなう政治調整が色濃く、消費者選択や市場競争、インフラ整備との整合性は依然として不透明である。

日本車優遇と市場歪み

衆院本会議で所信表明演説をする高市早苗首相=10月24日午後、国会内(画像:時事)
衆院本会議で所信表明演説をする高市早苗首相=10月24日午後、国会内(画像:時事)

 前述のとおり、EVの補助金上限は40万円増額されたが、FCVは逆に減額された。二酸化炭素の削減効率という観点からは説明がつかないこの決定は、米国の指摘が制度変更の起点となった事実を物語っている。補助金はもはや、外交上の衝突を避けるための数値調整装置としての役割を隠そうとしていない。

 メーカーや車種によって補助額に大きな開きがある点も市場に違和感を与えている。日本車やテスラに高額な支援が集中する一方で、比亜迪(BYD)や現代自動車(ヒョンデ)に対する補助は据え置かれた。支給額の影響で、本来は上位技術であるはずのPHVが、

「ガソリン併用のハイブリッド車(HV)よりも安価に手に入る」

という逆転現象も現実味を帯びている。自由な市場競争の原理は軽視され、制度による強制力が技術の選択を歪めている。海外勢のなかで

「テスラ」

のみが例外的に優遇され、一部モデルを除き127万円もの高額補助が適用される。テスラの国内販売網や雇用への貢献度が限定的であることを考えれば、この支給額は環境性能の評価だけで正当化できるものではない。そこには米政権への露骨な政治的配慮が読み取れる。

 一方で、世界で20%近いEVシェアを誇るBYDは、補助金上限が45万円のまま据え置かれた。安全保障上の懸念が制度として明文化されないまま、支給額の差によって特定勢力を抑制しようとする意図が見え隠れする。政府が海外勢の参入を制限したいのか、あるいは共存を目指すのか、その指針は不透明である

 。車両の購入支援は手厚くなったが、根幹となる充電インフラの整備は民間任せのままであり、普及を促す具体的な道筋は描かれていない。移動手段を支える基盤が脆弱なまま車両だけを増やす施策は、持続可能な市場形成を困難にする。

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