トヨタ再任で「日本自動車界」は変わるのか? 自工会「佐藤新体制」、EV減速を追い風にするマルチパスウェイ「逆転シナリオ」

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日本自動車工業会の会長交代が2026年1月に迫る。トヨタ佐藤恒治社長の就任は、国内需要縮小と国際競争激化の中で、政策主導力と産業全体の収益基盤再構築を狙う明確なシグナルとなる。

片山体制vs佐藤体制

自工会・現会長 片山正則(いすゞ自動車代表取締役会長 CEO)(画像:自動車工業会)
自工会・現会長 片山正則(いすゞ自動車代表取締役会長 CEO)(画像:自動車工業会)

 2024年に発足したいすゞ自動車出身の片山体制では、物流の2024年問題という差し迫った危機への対応が最優先された。当時の活動指針では、物流・商用・移動の効率化が最重要課題として掲げられ、産業の生命線である輸送インフラの維持に注力してきた。

 一方、トヨタ出身の佐藤氏が率いる新体制は、縮小する国内需要と激化する国際競争を起点に、より広範な課題解決を志向している。新たな指針には、マルチパスウェイの社会実装や自動車関連税制の抜本的改革が盛り込まれた。これは、これまでの危機管理的な対応を継承しつつも、産業全体の収益基盤を立て直し、成長軌道へと戻すための攻めの姿勢を示している。

 今回の人事で片山氏が副会長として留任する意義は大きい。乗用車と商用車が一体となって課題に当たる体制を維持することで、商用車で培った自動運転やエネルギー管理の知見を乗用車分野へ波及させるなど、カテゴリーの垣根を越えた相乗効果が期待されている。

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