車の「オンライン販売」なぜ増えた? メーカー側のメリットと、実店舗との棲み分け問題を考える
自動車の「オンライン販売」に各メーカーが乗り出している。高額なクルマをネットで購入する手法を、あえて売り手側が促進する狙いとは――。
オンライン販売は以前から存在した?
オンラインストアで車を買う際のデメリットはやはり、実際に車を見ることができないという点だろう。スペック表などを見れば、車の幅や高さなどある程度の大きさを知ることはできるが、車に乗ったときのサイズ感など、いわゆる車体感覚をつかむのは難しい。
さらに、スマホやパソコンで見たときの車のカラーや雰囲気が実車と違っているといったこともあり得る。
しかし考えてみれば、オークションサイトなどを介して個人同士の中古車の売買などはずいぶん前から行われていた。もちろん個人同士であるため、新車のオンライン販売とはわけが違うが、車購入時に実車を一度も見ずに、ウェブサイトやオンラインストアで購入することは目新しいとは言い切れないのかもしれない。
オンラインストアでの車販売は「いかに販売店と役割分担できるか」を模索しているというのが現状だ。もちろん、販売店が全てなくなってしまうと修理や点検時には困ることになる。販売店で働く従業員の雇用を守る必要もある。
しかし、販売店が少なくなることで、そこで浮いたコストを車両価格に転嫁できれば、安く新車を購入できるようになる可能性も期待できる。ユーザーにとって大きなメリットだ。
今後、車の販売形態がどのように変化していくのか、注視していく必要がありそうだ。