車の「オンライン販売」なぜ増えた? メーカー側のメリットと、実店舗との棲み分け問題を考える

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自動車の「オンライン販売」に各メーカーが乗り出している。高額なクルマをネットで購入する手法を、あえて売り手側が促進する狙いとは――。

販売店を存続させる重要な意義

自動車販売店のイメージ(画像:写真AC)
自動車販売店のイメージ(画像:写真AC)

 ホンダでは、オンラインストアと販売店との共存を考慮し、オンラインストアで車をサブスクリプション契約しても、納車は最寄りの販売店で行うという流れになっている。

 また、納車後の点検や整備、車検などは販売店を利用する形態をとることで、販売店の存在意義を保っていく方針だ。

 一方、米国に本社を構えるテスラは、ウェブサイトで車種やカラー、オプション装備の選択などが可能で、支払いまで完了できる。実際に「Model 3」の購入をシミュレーションしてみると、納車まで12週間ほどで完了できると案内された。

 テスラも前述のホンダ同様、納車は「デリバリーセンター」と呼ばれるテスラの拠点で行うことになる。日本国内では、東京・有明、名古屋、大阪・豊中の3か所が納車場所となっている。

 とはいえ、追加料金を支払えば、自宅や職場など指定した場所に車を直接配送するサービスも用意している。

 2022年にはスウェーデンのボルボ・カーズが、SUV電気自動車「C40 Recharge」をオンラインストアのみで販売。

 1車種に限定している点を考えると、試験的にオンライン販売を実施しているようにも見えるが、今後は需要が見込めるEV(電気自動車)を同様にオンラインストア販売していく計画があり、2030年までには全ての車販売をオンラインストアで行えるようにするとしている。

 現時点では、C40 Rechargeも契約・納車は販売店に出向いて行う必要がある。

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