EV減速で浮上する別ルート――水素・SDV・異業種へ動く部品サプライヤーの現在地【連載】自動車部品業界ウォッチ(3)
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EV化やHV需要、水素車開発が同時進行する自動車市場で、国内エンジン部品サプライヤーは既存技術を活かし異業種や水素分野に挑戦し、新たな収益源と成長戦略を模索している。
水素・新分野への挑戦

自動車産業は今、100年に一度とも言われる大変革期にある。電気自動車(EV)への移行が加速するなか、従来の内燃機関向け部品を手がける企業は、従来のビジネスモデルだけでは生き残れない時代を迎えた。本連載『自動車部品業界ウォッチ』では、こうした変化のなかで各社がどのような戦略を描き、どのように新規事業や技術に挑戦しているかを追う。国内外の公開情報を整理・分析することで、自動車部品業界の“今”を浮き彫りに。EV化という大波に対応する部品メーカーの戦略と、業界構造の変化を見通すことで、読者に新たな知見と業界理解を提供する。
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自動車業界は急速なEVシフトによって大きな変革期を迎えている。エンジン車が完全に駆逐されるかと思われたが、EVシフトの一服もあり、ハイブリッド車(HV)への回帰が見られる状況だ。
こうした市場の揺れは、サプライヤーにとって経営判断の難易度を高めている。電動化の進展は確実だが、地域ごとの政策支援やインフラ整備の進捗度、カーボン規制の強化状況などによって普及速度に差が生じる。こうした環境下で、各社は事業戦略を見直し、多様な対応を迫られている。
本連載では、国内サプライヤーの取り組みを三つのタイプに分類し、それぞれの狙いを追う。第3回目では、水素関連や他業種への進出など、技術力を生かした事業強化策に焦点を当てる。
水素自動車はその象徴的な例であり、政策支援や将来的な市場規模の見通しといった要素も、企業戦略の背景として重要な判断材料となる。サプライヤーは既存技術の応用範囲を検討しつつ、成長が見込める分野への投資を進めている。加えて、電動化の波だけでなく、HV需要や水素車開発の進展など、複数の動向を同時に見極める必要がある。