国際物流に大きなダメージ 「上海ロックダウン」の長期化がもたらす深刻な影響とは
マースク「危険物ヤード密度は徐々に緩和」

さらに中国は新型コロナの感染リスクが高い地域から来る船舶に対しては、制限や要件を厳しくしており、入港船舶の待機時間は12時間から48時間、深セン・蛇口では最大120時間に達することもある。
リーファーコンテナによって運ばれる商品は果物や野菜、肉、魚介類などのような時間的な制約があるものが中心となっており、各船社は貨物の遅延や損傷を防ぐため、他港への仕向け地変更(COD)を顧客に提案している。ただ、周辺港でも輸送シフトによって混雑が悪化しコンテナヤードがパンク状態となるなど、悪循環が続いている。
上海港におけるコンテナヤードの混雑については、ブッキングのキャンセルが相次いだこともあって、改善傾向にあるという見方が出ている。
デンマークに本拠地を置く世界最大規模のコンテナ船社APモラー・マースク(A.P. Moller – Maesk)は
「上海港の危険物ヤード密度は徐々に緩和されている」
とし、4月22日から引火性液体類など危険物のブッキング受付を再開。日本郵船、商船三井、川崎汽船の邦船3社が出資するオーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)もリーファーヤードの状況は良くなり始めると予想している。
混雑の対応としてマースクは上海と周辺都市を結ぶ輸送手段の代替として、はしけや鉄道を利用したマルチモーダルサービスを提供することを提案。ONEは4月26日、上海向けドライ・冷凍輸入貨物の仕向け地変更手数料(COD)を無料にすると発表した。
だが、ロックダウンと移動制限による都市機能のマヒは今現在も続き、経済活動にダメージを与えている。
マースクもリーファーヤードの混雑緩和に伴って、5月9日に冷凍貨物の受付を再開したと発表したが、最初の冷凍貨物が上海に到着するのは6月26日以降になるという。航空貨物に関してもフライトのキャンセルが増加しているため、中国国内の他空港への物量の移動が増えることを同社は予想している。