「サクラ」が示す日本のEV戦略! 日産が主導したCHAdeMOの挑戦は「次世代900kW」へ【リレー連載】頑張っちゃえ NISSAN(8)
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国内EV充電器は6.8万口に達し、急速充電器は1.2万口超。日産リーフ発売から15年、CHAdeMO規格で基礎インフラは築かれたが、地方や集合住宅での偏在は依然課題。2030年30万口目標に向け、整備拡大と利便性向上の両立が問われる。
国内EV充電器の急拡大

かつて世界を席巻した日産は、今また大きな岐路に立っている。EVシフトの遅れ、米中市場での苦戦、巨額赤字――逆風は強い。しかし新型リーフやマイクラEVの投入、ハイブリッド戦略、生産体制の再構築など、未来への挑戦は止まらない。 本リレー連載「頑張っちゃえ NISSAN」では、厳しい現実と並走しながらも改革を進める日産の姿を考える。
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2025年3月時点で、国内の電気自動車(EV)用充電器は約6.8万口に達している。急速充電器は約1.2万口、普通充電器は約5.6万口である。
比較のために振り返ると、2011(平成23)年3月の充電器は623基にとどまっていた。当時はほぼ全てがCHAdeMO規格の急速充電器であった。以降の15年間で、充電インフラは着実に拡大してきた。基数と口数の違いがあるため単純比較はできないが、市場成長率は年平均30%超のペースで推移したとみられる。
この拡大のきっかけとなったのは、2010年3月のCHAdeMO協議会設立と同年12月の日産リーフ発売である。量産EVと充電規格の普及が同時に動き出したことで、日本のEVインフラは静かに積み上げられてきた。