「赤字と逆風」に挑む日産「プロパイロット2.0」の衝撃――“疲れない運転”という新しい価値とは?【リレー連載】頑張っちゃえ NISSAN(4)
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年間6万kmを走る筆者の心理的負担を、日産のプロパイロット2.0が軽減。渋滞や複雑な高速環境でも安心を提供し、逆風下での技術革新と社会的価値を具体化する挑戦が始まっている。
高速時代を支える車技術革新

かつて世界を席巻した日産は、今また大きな岐路に立っている。EVシフトの遅れ、米中市場での苦戦、巨額赤字――逆風は強い。しかし新型リーフやマイクラEVの投入、ハイブリッド戦略、生産体制の再構築など、未来への挑戦は止まらない。 本リレー連載「頑張っちゃえ NISSAN」では、厳しい現実と並走しながらも改革を進める日産の姿を考える。
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世界の自動車事情は年々変化している。特に近年、高速道路での移動の重要性は増している。地方都市から都心まで、長時間の運転を強いられるドライバーが増えている。日産はこうした現実を前に、技術革新で挑戦を続けている。既存の道路や設備だけでは解決できない課題に対し、車そのものの安全性や快適性を高める取り組みは、赤字や市場苦戦の中での現場の奮闘を象徴している。
長距離運転では、交通量の変化や分岐の複雑さ、天気の変化などに対応する必要がある。ドライバーの心理的や身体的な負担は大きい。渋滞の先頭で速度を瞬時に判断したり、合流で周囲の車の動きを予測したりする場面では、緊張と疲労が重なる。日産はこうした課題に応えるため、運転支援技術を進化させている。ドライバーが安心して長距離を走れる環境を作り、技術革新の価値を社会に示している。
大手メーカーが高速走行での安全性と快適性の両立を追求するなか、日産は逆風下で挑戦を続ける。長距離ドライバーの心理的負担を減らす技術開発に注力している。年間6万kmを走る私の目線でも、その価値は実感できる。安心感を提供しつつ運転に集中できる環境は、利便性を超え、安全性確保への本気の取り組みを示している。