なぜ「ステアリングスイッチ」は増え続けるのか? 多機能化&操作性のジレンマを考える

キーワード :
近年、ステアリング上のスイッチは急速に多機能化し、新型車ではオーディオ操作やクルーズ制御、走行支援までハンドル上で操作可能になっている。2024年には世界市場が約34億ドルに達し、2034年まで年平均1.8%成長が見込まれる。各社は音声認識や触覚フィードバックを駆使し、安全性と利便性を両立させる次世代ステアリング開発を加速している。

ステアリング操作の進化

自動車のステアリングスイッチ(画像:写真AC)
自動車のステアリングスイッチ(画像:写真AC)

 近年の新型車では、ステアリング周辺に配置されるスイッチの数と種類が急速に増えている。かつてはホーンだけが標準だったが、現在はオーディオ操作や電話、各種走行支援システムの操作に加え、メーターディスプレイの切替や走行モード変更まで、ハンドル上で行うのが一般的だ。

 経済産業省は当初、2024年に「モビリティDX戦略」を策定した。その後、2025年6月に状況変化を反映して同戦略をアップデートしている。自動車分野ではAIや自動化の導入が政策の中心であり、官民協調によるデジタル化や自動運転モデル開発も加速している。メーカー各社は安全性とユーザー体験の両立を目指し、操作性を重視したステアリングスイッチ開発に投資を強化している。

 また、2024年の国土交通省調査によると、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)は2021年から新型国産車、2024年から輸入新型車、2025年12月から継続生産車への義務化が予定されている。アダプティブクルーズコントロールなどの先進運転支援機能の普及率も年々高まっている。

 こうした背景から、ステアリングスイッチの数は増加を続けている。各社は最終的に、どのような形の操作系を目指しているのか。その方向性が今後の車両開発の鍵となる。

全てのコメントを見る