駅前の店がすべて消えた「京成立石」──“失敗が許されない再開発”で揺らぐ下町文化と、コスト増・訴訟が示す構造的リスク
京成立石駅北口の再開発は、710戸のタワーマンションや葛飾区役所移転、バスロータリー整備を含む大規模事業だ。建設費は2024年時点で約1186億円に膨張し、住民の反発やテナント運営の複雑化も指摘される中、下町の賑わいをどう維持するかが問われる。
老舗店舗の資産価値

立石の再開発は、全国的に有名だった商店街を取り壊し、老朽化して耐震性に問題のある区役所を移転させ、バスロータリーを整備する事業である。区の商業・交通・行政の将来がかかるため、失敗は許されない。
しかし、高騰する建設費や、訴訟にまで発展した住民の反発、買い物客の動線やテナント管理を複雑にする組合再開発など、多くの課題を抱えている。
立石は、最近まで有名人のサインが飾られた繁盛店が多く、
「飲み文化」
が長年栄えた街である。街を発展させるなら、この資産を生かさない理由はない。商売を続けたい店舗を立石に残せるよう、京成押上線の高架下や新設される商業施設のレストランフロアなどを活用してほしい。