蒲蒲線は本当に必要? 総工費1248億円、わずか0.8km区間で問われる「都市鉄道の採算リスク」

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東急・JR蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ蒲蒲線は総事業費約1,248億円の国家プロジェクトで、羽田アクセス改善と都市圏鉄道連携を狙う。一方、短距離・高コスト・採算リスクも抱え、都市全体の効率確保が課題となる。

筆者への反対意見

蒲蒲線(画像:大田区)
蒲蒲線(画像:大田区)

 蒲蒲線には疑問の声もある。事業費約1248億円に対し、費用便益比1.5は理論上の数値にすぎず、人口減少やテレワークの定着による需要減を考慮すると過大評価との指摘もある。

 蒲蒲線の黒字化は、大田区の試算で開業後31年間かかるとされ、第三セクター方式での自治体負担増が懸念される。距離が短く、効果が限定的との指摘もある。第1期の開業区間はわずか0.8kmであり、わずか1駅分のために約1248億円の投資は過剰との批判もある。

 現在もバスは複数系統が運行されており、混雑緩和や所要時間短縮の効果は限定的ではないかという疑問もある。京急蒲田や大鳥居で接続する京急側の関与も弱く、京急にとっては既存空港線が主力であり、東急との接続はダイヤ調整の負担を増やす。大鳥居で空港方面の京急列車と接続できるかも課題だ。

 さらに蒲蒲線が京急方面に乗り入れる場合、三線軌条かフリーゲージトレインの導入が必要になる。特にフリーゲージトレインの導入には技術的課題とコスト増が避けられない。
 都市開発高架に対する疑問もある。新線建設の名目は地域活性化であるが、蒲田駅周辺ではすでに再開発や商業施設の整備が進んでおり、蒲蒲線による波及効果がどこまであるかは不透明だ。商業地の地価上昇が住宅地を圧迫する「再開発偏重」の懸念も残る。

 さらに羽田空港方面には競合もある。JR東日本の羽田空港アクセス線は都心と空港を直結する計画で、将来的には空港からりんかい線・京葉線や埼京線方面への列車も設けられる予定だ。これにより重複投資になるという批判も避けられない。都市鉄道ネットワーク全体の最適化よりも、特定の企業や地域の利益が優先されているとの指摘もある。

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