「違法モペット」が減らない根本理由──制度・経済・技術の“三重の歪み”が生む構造問題とは
改正道路交通法施行から1年、ナンバー未取得やリミッター解除の違法モペットは依然流通。国内外仕様の技術差とEC販売構造の歪みが複合し、事故や摘発も増加。三層構造の再設計が急務だ。
EC市場の圧力
違法モペットは制度の境界外で増えている。
特定小型原付はもともと電動キックボードを対象に作られており、ペダル付きモペットは分類外だった。2023年から2024年にかけては、警察署ごとに運用解釈が異なり、法定分類が整理されないまま販売が進んだ。ネット通販では対面説明義務がなく、重要事項の周知も不十分だった。
EC販売では商品回転率が重視されるため、法令順守のコストは価格競争で不利になる。都市部では免許不要で安価な移動手段の需要が強く、中小の販売業者はアフターサービス体制を持たず、販売後の責任が希薄である。
中国系の基板は出荷時には制限されるが、解除すれば高速仕様に戻る構造が一般的だ。多くの車両はスマホアプリで制御コマンドを書き換えられる。速度制限やアシスト比の判定はソフトウェアに依存し、外観だけでは判断できない。
こうした制度、経済、技術の三層が絡む背景は、EC市場が制度遵守よりも即時販売を優先する構造と密接に関連している。