EV一辺倒は幻想? 「ハイブリッド需要」揺り戻しで浮き彫り、部品メーカーの辛らつ現実【連載】自動車部品業界ウォッチ(1)
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EVシフトで自動車産業の重心はガソリン車からEVへ移行し、2035年にはエンジン部品の売上半減が予想される。国内大手サプライヤーは事業再編を進め、電動化技術とHV応用技術の両立を模索している。
エンジン技術の重要性

ニデックの例は、EVへの傾注が必ずしも安定した成果を生むわけではないことを示す。EV市場は揺れ動きが大きく、HV需要が再注目されるなど、市場環境は変化している。こうした背景から、エンジン関連技術を完全に手放すことはリスクとなる。
一方で、デンソーやプロテリアルのように、EVとHVの両方で活用可能な技術に資源を集中する動きもある。エンジン制御技術や熱管理、軽量化など既存技術は電動化の周辺分野でも応用可能であり、戦略的価値を持つ。各社はこうした技術を再評価し、事業多様化と競争優位の確保を目指している。
当初、多くの関係者は
「将来的にエンジン車はなくなり、EVに一本化する」
と考えていた。しかし現実には各国政府の方針が変化し、内燃機関車やHVの需要も依然として存在する。不確実な環境下では、エンジン技術を保持しつつ電動化技術を伸ばす両立型戦略が重要となる。