なぜトンネルは「水」に負けるのか? 工事はなぜ止まる? 新東名・中部縦貫・日本海東北道で露呈する地盤リスク
新東名高松トンネルや中部縦貫道大谷トンネル、朝日温海道路2号トンネルなど、長大トンネルの工事は湧水や軟弱地盤で停滞。開通延期や事業費増は総額約4100億円に達し、高速道路事業全体の効率と経済波及に影響している。
計画段階での精密予測

トンネルが水問題に弱いのは、自然条件だけでなく、まだ正確に把握できていない地質が多く、経済的に管理しきれない構造があるためだ。
しかし、湧水を不可避な自然災害として放置すると、今後もトンネル工事が滞り、高速道路事業に大きな損失をもたらす。最も重要なのは、計画段階でより正確に予測することだ。最新技術の導入やデータ活用、保険や費用配分など、さまざまな面からの対応が求められる。
近年、各地で高速道路の開通が相次ぎ、山岳地帯を貫く長大トンネルも増えている。多くは全長2000mを超える。今後開通する路線も長大トンネルが多くなる見通しであり、水対策は高速道路事業における重要課題となる。