国際線サーチャージ「1万円超」値上げ ウクライナ侵攻がもたらした「モビリティ業界」への大打撃

キーワード :
, , , , , , ,
ロシアによるウクライナ侵攻から2か月余。この間、モビリティ業界に及ぼした影響をあらためて振り返る。

国際線サーチャージ大幅値上げ

旅客機のイメージ(画像:写真AC)
旅客機のイメージ(画像:写真AC)

 欧米とロシアとの政治的緊張が激化したことで、今日、欧州各国の民間旅客機はロシア上空の飛行を避け、反対にアエロフロートなどロシア民間旅客機の欧米各国上の飛行もできなくなっている。

 それによって、英ロンドンや仏パリ、独フランクフルトなど欧州各都市と日本を結ぶフライトは大きな制限を受けている。

 周知の通り、欧州と日本を結ぶフライトは通常、最もショートカットとなるロシア上空を飛行し、12~13時間程度で結ぶ。しかし、ロシア上空を避けることになったことから中央アジアなど迂回ルートを余儀なくされ、通常より3時間から4時間ほど長く時間が掛かっている。

 日本の全日空(ANA)もたとえば羽田フランクフルト便でウィーン経由、また米国アラスカ経由を余儀なくされ、ビジネスマンの出張などにも大きな影響が出ている。

 そして、当然ながら、フライト時間が長くなるということはそれだけ必要な原油量は増大し、そのコストが拡大することになる。

 ロシア産原油の輸入制限なども影響し、原油をめぐる緊張が今後いっそう激しくなる恐れがある。

 日本航空(JAL)は4月、国際線フライトの燃油サーチャージを2022年6月1日発券分から引き上げると発表した。

 地域別には、片道で北米や欧州が現行の2万2000円から3万6800円に、6時間から7時間かかるインドネシアやハワイなどが現行の1万2700円から2万3600円に値上げされるという。

全てのコメントを見る