「テスラ方式」の弱点を突く? 世界3位ヒョンデが東京で再挑戦、“安心感”で日本市場を取り戻せるか
2022年に日本市場へ再上陸したヒョンデは、世界3位の販売規模685万台を背景に、従来型ディーラーを使わずD2C+体験拠点で消費者接点を再設計。オンライン契約と五感でのブランド体験を融合し、日本特有の信頼獲得を狙う。
トヨタも「オンライン商談」導入

日本メーカーも静かに販売戦略を進化させている。トヨタは2023年以降、主要ディーラーでオンライン商談や電子契約を導入し、新車購入の初期接点をデジタル化することで、若年層へのリーチを強化している。日産やホンダも同様の取り組みを進めており、
「ディーラー = 販売の中心」
という従来構造は徐々に変化している。
こうした変化は、消費者の行動や期待に合わせた柔軟な対応を意味する。特に都市部の若年層では、オンラインでの情報収集や契約への抵抗感が低く、初期接点をデジタルに移行することでブランドとの接触機会を増やす効果がある。一方で、高額な自動車購入にともなう心理的安心感や、納車・アフターサービスの重要性は依然として高いため、オンラインだけに依存するのではなく、リアルな体験との接続が不可欠となる。
ヒョンデが採用するD2C+ブランド拠点モデルは、この日本市場の変化と整合する手法といえる。販売拠点を最小限に抑えつつ、ブランド体験を提供するには、オンライン販売とオフラインの接客・整備ネットワークの組み合わせが必要だ。エージェントや地域の整備工場と連携することで、効率性を確保しながらも、消費者が求める安心感と体験価値を補完する戦略が可能となる。
この流れは、日本の消費者が重視するブランド体験の質を再設計する動きでもある。ヒョンデが日本で再び成功するかどうかは、オンラインとオフラインを融合させた接点設計で、どれだけ消費者の信頼を獲得できるかにかかっている。