「テスラ方式」の弱点を突く? 世界3位ヒョンデが東京で再挑戦、“安心感”で日本市場を取り戻せるか
2022年に日本市場へ再上陸したヒョンデは、世界3位の販売規模685万台を背景に、従来型ディーラーを使わずD2C+体験拠点で消費者接点を再設計。オンライン契約と五感でのブランド体験を融合し、日本特有の信頼獲得を狙う。
進化するハイブリッドモデル

この課題に対する解決策として注目されるのが、
「エージェント・モデル」
の導入である。メルセデス・ベンツやボルボが先行して採用し始めており、販売契約はメーカーが直接行いながらも、接客・試乗・納車などの顧客体験はエージェントが担う仕組みだ。エージェントはあくまで販売代理であり、従来型のディーラーとは異なる役割を果たす。これにより、価格や在庫を一元管理しながら、値引き競争を回避してブランド価値を維持できる。
また、エージェントモデルは、消費者の体験価値を再設計するアプローチでもある。オンラインで契約を済ませつつ、試乗や納車といったリアルな体験を提供することで、購入前後の心理的な満足度や信頼感を確保する狙いがある。特に日本市場では、前述のとおり、納車時の演出やアフターサービスの信頼性が購入判断に大きく影響するため、オンライン販売の利便性とオフライン体験の質を両立させることが重要である。
さらに、地域の整備工場と連携することで、メンテナンスや点検サービスを地域で確保し、消費者が抱く
「距離感の不安」
を軽減することも可能だ。こうしたハイブリッド型の販売モデルは、購入プロセスを効率化するだけでなく、ブランド体験の質を高め、日本市場特有の消費者心理に応える形として設計されている。今後、ヒョンデがこのモデルをどの程度日本で定着させられるかが、再上陸後の成功を左右するポイントとなる。