「30年で人が消えた街」 岐阜“LRT構想”は再生か破綻か? 1.7兆円借金県の危うい「大博打」
岐阜県が検討するLRT(次世代型路面電車)の調査費を含む2025年度一般会計補正予算案が県議会で可決された。県は年内にも本格調査に入る方針だが、岐阜市中心市街地は閑古鳥が鳴き、県内唯一の新幹線発着駅であるJR岐阜羽島駅(羽島市)の利用は低迷したままだ。
岐阜羽島駅の利用者増は望み薄

LRTは2006(平成18)年に富山県富山市、2023年に宇都宮市と芳賀町で導入された。ともに車社会が進んだ地域だが、富山市は高齢者の外出機会が大きく増え、宇都宮市と芳賀町も沿線活性化に成功している。人口は宇都宮市が約51万人、富山市が約40万人。40万人弱の岐阜市は富山市とほぼ同程度。人口規模だけ見れば、身の丈に合わない計画といえない。
中心市街地の衰退は岐阜市が深刻だが、柳ヶ瀬の商店主は
「富山、宇都宮ともLRTが予想を上回る効果が出た。実現すれば岐阜も変わることができるのでないか」
と期待する。
しかし、岐阜羽島駅周辺の活性化には楽観的な声を聞けなかった。岐阜市中心部から電車で向かう場合、岐阜羽島駅は名鉄岐阜駅から名古屋本線と竹鼻線を乗り継いで約30分。これに対し、名古屋駅(名古屋市中村区)はJR岐阜駅から東海道線で約20分しかかからない。
全列車が停車する名古屋駅は新幹線が日中で10本程度発着するが、岐阜羽島駅は「のぞみ」が通過し、日中の発着便が1時間に2本ほど。このため、県民の多くが名古屋駅から新幹線を利用している。