「30年で人が消えた街」 岐阜“LRT構想”は再生か破綻か? 1.7兆円借金県の危うい「大博打」
岐阜県が検討するLRT(次世代型路面電車)の調査費を含む2025年度一般会計補正予算案が県議会で可決された。県は年内にも本格調査に入る方針だが、岐阜市中心市街地は閑古鳥が鳴き、県内唯一の新幹線発着駅であるJR岐阜羽島駅(羽島市)の利用は低迷したままだ。
財政危機のなか、予算確保が難題

課題のひとつと考えられるのが財政負担だ。3ルート整備だと、総延長は20kmを超しそうで、栃木県宇都宮市と芳賀町で運行するLRTの14.6kmを上回る。宇都宮LRTの整備費は
「684億円」
かなり高額の整備費になるのは間違いない。
岐阜県の財政状況は過去の箱物行政などが響き、硬直化している。2024年度末現在で県の借金に当たる県債発行残高は約1兆7000億円、貯金に当たる財政調整基金残高は約300億円。2025年一般会計当初予算では人件費や公債費など義務的経費が歳出の約7割を占めた。
基金を取り崩して予算編成をしている苦しい状況で、2026年度予算編成では全職員に事業見直しの提案を求めている。県はLRT整備に国の支援を最大限活用する考えだが、予算確保は簡単でない。
想定ルートの大半を占める岐阜市は実現に向けた課題をひとつずつ精査する考え。岐阜市交通政策課は
「架線を使わない最新LRTが運行する台湾3路線を年度内に視察する」
としているが、名鉄名古屋本線の高架化や市街地再開発事業を抱え、LRTだけに投資を集中できない事情を抱えている。
岐阜羽島駅がある羽島市は人口6万人強の小規模自治体。羽島市総合政策課は財政負担を警戒するのか、「構想内容が具体化するまで何ともいえない」と慎重な口ぶりだが、
「岐阜羽島駅周辺を活性化したい気持ちはある。今は県の調査を見守りたい」
と述べた。