「550万人雇用」を救う“非BEV”の勝算――トヨタが仕掛ける「水素エンジン」という内燃機関戦略

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電動化が進む自動車産業で、トヨタは水素エンジンに挑む。国内550万人の雇用や既存技術を生かしつつ、モータースポーツで実証を重ね、名車AE86や商用車への応用も進める多様な脱炭素戦略が未来を拓く。

「マルチパスウェイ」という戦略

マルチパスウェイ戦略のイメージ(画像:トヨタ自動車)
マルチパスウェイ戦略のイメージ(画像:トヨタ自動車)

 自動車産業は今、電動化が急速に進み、各国は2030年代以降の内燃機関新車販売禁止を打ち出している。しかし、資源制約や充電インフラ整備の遅れなど、バッテリー電気自動車(BEV)一辺倒では解決できない課題も浮かび上がる。

 こうした状況で、トヨタは水素エネルギーに改めて光を当て、カーボンニュートラルと走る喜びを両立する新たな道を模索している。その象徴が、水素を直接燃焼させる水素エンジンである。

 トヨタはカーボンニュートラル社会の実現に向け、ひとつの道に頼らない独自戦略を掲げる。それが

「マルチパスウェイ(Multiple Pathways)」

という考え方だ。BEVだけを唯一の答えとせず、

・燃料電池車(FCV)
・ハイブリッド車(HV)
・プラグインハイブリッド車(PHV)

さらには水素エンジン車など、複数のパワートレーン技術を並行させる。地域のエネルギー事情やユーザーのニーズ、インフラ整備の進展度など、市場ごとに異なる条件に最適なソリューションを提供する狙いである。

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