物流クライシスを救う「禁断の果実」 トラックの距離制“従量課金サービス”は中小運送会社の救世主か、それとも堕落を招くのか?

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Truck as a Service(TaaS)とは、運送事業者が従量課金でトラックを利用できる新しいビジネスモデルを指す。この仕組みは、運送事業者とトラックメーカーの従来の力関係を大きく変える可能性を秘めている。

TaaSで逆転する力関係

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

「TaaSは、運送事業者とトラックメーカーの力関係を逆転させる可能性がある」

と、あるトラックメーカーは匿名で語った。TaaSを運営する上で、輸送案件を運送事業者に提供することは必須である。料金体系が走行距離制や時間制、トンキロ制であっても、トラックが十分に稼働し売上を確保できなければ、TaaS事業者の収益は上がらないからだ。

 しかし裏を返せば、仕事を提供する立場に立つことで、TaaS事業者は運送事業者よりも強いポジションを握る可能性が高い。

「今まで、トラックメーカーは運送事業者にトラックを買ってもらうために頭を下げていましたが。TaaSが始まれば、今度は仕事欲しさに運送事業者がトラックメーカーに頭を下げることになります」

と、同メーカーは指摘した。

 ここまでいわれると、運送事業者としては面白くないだろう。しかし、TaaSを利用する運送事業者が不幸になるわけではない。TaaSには特に

「中小運送事業者」

にとって大きなメリットがある。国内6万3000社の8割を占める従業員30名以下の中小運送事業者は、トラック保有にともなう損益管理を単純化でき、経営が楽になる。特別な営業活動をしなくても、トラックメーカーが営業を代行し輸送案件を確保してくれる。

 つまり、運送事業者の経営者はドライバーを確保し雇用を維持するだけで、あとはTaaS事業者の指示に従って貨物輸送を行えば、安定した経営を手に入れる可能性がある。

 ある運送事業者の社長は、TaaSの話を聞き、

「トラックに加えて仕事まで押さえられたら、運送事業者はトラックメーカーの奴隷じゃないですか」

とため息をついた。表現は過激だが、心情は理解できる。ただ、その代償として安定した経営を得られるのであれば、決して悪いことではない。

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