人口わずか161人! 絶海の孤島「青ヶ島」、上陸困難が示す日本最少自治体のリアルとは
太平洋上に孤立する東京都・青ヶ島。人口わずか161人、年間観光客は900~1800人にとどまる絶海の孤島は、1785年の天明大噴火で半数以上が命を落とした。半世紀を経て全島民の帰島が実現した、復興と生存の軌跡である。
限界集落の持続可能性

青ヶ島の物流効率や住環境を改善するには、港の整備や輸送手段の多様化が必要だ。再生可能エネルギーの導入も欠かせず、長期的で具体的な計画が求められる。
現実的な対策として、まずヘリ便の定員拡大や運航日数の増加が考えられる。無人航空機やドローンを使った物資輸送も試行すれば、孤立リスクを減らせる。次に、太陽光や風力を組み合わせた分散型電源システムを導入すれば、燃料費と環境負荷を同時に軽減できる。さらに、小規模農業や水産加工を地域資源と結びつけ、島外への販売ルートを整備すれば、特産品の価値維持と雇用創出を両立できる。観光面では、訪問者数を制限したうえで高単価・低量の戦略を採れば、収益性を高める可能性もある。
青ヶ島は孤立性と自然条件によって、経済と社会の持続に課題を抱えている。しかし、技術や資源配分を工夫すれば、人口の少なさを逆手に取った持続可能な運営や特産品価値の向上も可能だ。過去の困難を踏まえれば、島の存続と発展には長期的な視点と段階的な戦略が不可欠であり、具体的な行動が求められる。