北陸新幹線「敦賀延伸1年半」――赤字70億円予測を覆したハピラインの奇跡! 課題残るも開業効果はいまだ継続

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北陸新幹線が敦賀まで延伸してから1年半。福井県を訪れる観光客数は高水準を維持している。並行する在来線「ハピラインふくい」も赤字を大幅に縮小し、健闘している。

8億円の赤字見込みが1200万円に

福井駅近くを走る福井鉄道の路面電車(画像:高田泰)
福井駅近くを走る福井鉄道の路面電車(画像:高田泰)

 福井県や沿線市町らで組織するハピラインふくい利用促進協議会によると、ハピラインふくいの2024年度年間利用者は約762万人。1日当たりで2万1060人になり、経営計画目標の2万167人を上回った(4.4%増)。運賃収入も予算額を2億5400万円上回る

「20億100万円」

に達している。営業赤字は8億円の見込みが1200万円に縮減できた。

 経営計画で27.4%と想定していた定期券以外の利用が35.2%に達したことが、目標越えの原動力になった。福井県地域鉄道課は

「開業効果の観光客や沿線住民の利用促進が好結果をもたらした」

とみている。

 その他の鉄道事業者も恩恵を受けている。福井県坂井市、勝山市、福井市などが出資する三セクのえちぜん鉄道は2024年度、年間利用者が対前年度比8.9%増の約392万人となり、過去最高に。当期純損失も前年度の約1割に当たる1800万円に縮減した。

 福井市の第三セクター・まちづくり福井や鯖江商工会議所などが出資する福井鉄道は2024年度連結決算で、観光バスなどの売上高が伸び、5年連続の赤字から脱却する1583万円の当期純利益を出した。

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