北陸新幹線「敦賀延伸1年半」――赤字70億円予測を覆したハピラインの奇跡! 課題残るも開業効果はいまだ継続
北陸新幹線が敦賀まで延伸してから1年半。福井県を訪れる観光客数は高水準を維持している。並行する在来線「ハピラインふくい」も赤字を大幅に縮小し、健闘している。
開業効果への宿泊業者・自治体の喜び

敦賀延伸で福井県内には芦原温泉、福井(福井市)、越前たけふ(越前市)、敦賀の4駅に新幹線が停車するようになった。福井県が開業から1年間に越前たけふ駅を除く3駅周辺を訪れた県外客を推計したところ、開業前1年間を17%上回ったことがわかった。特に関東や信越からの来訪者が大きく増えている。
主な観光地も
・敦賀赤レンガ倉庫(敦賀市):39%増
・永平寺(永平寺町):29%増
・県立恐竜博物館(勝山市):24%増
だ。福井県はKDDIの人流データを基にその後の人出を推計しているが、多くの場所で開業前を上回る人出が続いている。
福井駅前では、米ホテル大手のマリオット・インターナショナルが「コートヤード・バイ・マリオット福井」を開業した。近くのビジネスホテル従業員は
「マリオットが来ても宿泊客は増加傾向。この夏もほぼ去年並みで推移した」
と笑顔を見せる。福井駅前では恐竜モニュメントを眺める観光客が今も後を絶たない。
敦賀商工会議所は3か月ごとに敦賀市の会員企業から売り上げ動向の調査をしている。2025年4~6月期は飲食や宿泊関係で56.9%の企業が「売り上げが増えた」と答えた。開業前より13ポイント多く、担当者は
「中心市街地の人出が増えるなど開業効果が続いている」
と胸を張る。