夜行特急の復活は「ビジネス」か「単なるロマン」か?――首都圏発、北東北・関西への新ルートを検証する
夜行列車の定期運行は「サンライズ瀬戸・出雲」1本のみ。だがJR東日本が新たな夜行特急を打ち出し、500~700km圏内での再生可能性が浮上した。東京~秋田・金沢・関西を軸に、費用は2万2000~2万7000円台と新幹線+宿泊と競合する。鉄道の夜行市場は再び動き出すのか。
東京~姫路の夜行特急も想定

筆者としては東京~姫路の夜行特急にも期待している。現行のサンライズ瀬戸・出雲は、上りが姫路23時33分発、三ノ宮0時11分発、大阪0時33分発で東京7時08分着。下りは東京21時50分発で姫路5時25分着となっている。関西エリアでの停車駅は少なく、臨時のサンライズ出雲でやや増える程度だ。関西は通過点に近く、利便性に欠けるのが実情である。ならば、
「東京~関西を結ぶ専用の夜行特急」
はどうだろうか。上りはサンライズより30分早く、下りは30分遅く設定する。停車駅は姫路、三ノ宮、大阪、京都とし、観光需要とビジネス需要を両方取り込む。
費用はA寝台個室で約2万6000~2万7000円となる。「新幹線 + ビジネスホテル」よりやや高く、ラグジュアリークラスの高速バスより4000~5000円高い水準だ。だが東京~関西は需要が大きいため、B寝台個室の9600円を基準に数を稼ぐ方式も考えられる。その場合は約2万2000~2万3000円となり、十分競争力を持ちうる。
一方で課題は首都圏や関西圏の朝の過密ダイヤに組み込めるかどうかにある。
東京~秋田、東京~金沢、東京~関西はいずれも営業キロで500~700km圏内だ。鉄道移動と他の輸送手段との競合を考えれば、この距離帯が狙い目といえる。さらに幅広い需要に応えるためには、サンライズと同様に
・A寝台個室
・B寝台個室
・ノビノビ座席
の三本立てが望ましい。想定で終わらせず、あとはJRグループと関係各社の判断に期待したい。