夜行特急の復活は「ビジネス」か「単なるロマン」か?――首都圏発、北東北・関西への新ルートを検証する
夜行列車の定期運行は「サンライズ瀬戸・出雲」1本のみ。だがJR東日本が新たな夜行特急を打ち出し、500~700km圏内での再生可能性が浮上した。東京~秋田・金沢・関西を軸に、費用は2万2000~2万7000円台と新幹線+宿泊と競合する。鉄道の夜行市場は再び動き出すのか。
東京~秋田の定期運用を想定

JR東日本が発表した資料によると、新たな夜行特急列車の運行エリアは
「首都圏~北東北」
を予定している。まず東京~秋田の定期運用を想定してみよう。かつて首都圏と秋田を結ぶ寝台特急には、上越線経由の「出羽」と奥羽本線経由の「あけぼの」があった。
1985(昭和60)年1月の時刻表によれば、「出羽」の上りは秋田20時発・上野6時8分着、下りは上野21時40分発・秋田8時20分着だった。朝早く首都圏に到着し、夜遅くに出発できる絶妙なダイヤだった。航空機との競合を考えても、首都圏に早く着き、滞在時間を長く確保できる点は有利といえる。
費用は個室料金を「サンライズ瀬戸・出雲」のA寝台個室と同等の1万3980円と想定すると、上越線経由で合計約2万6000円となる。秋田新幹線とビジネスホテルの組み合わせとほぼ同水準だ。一方、高速バスとの比較では費用面で大きく劣る。最大の課題は高すぎる個室料金にある。
解決策のひとつは、「サンライズ瀬戸・出雲」にあるノビノビ座席の導入だ。この方式なら個室料金が不要となり、約1万3000円で利用できる。それでも格安の高速バスには及ばないが、繁忙期なら十分に競争力を持つはずだ。