極東の日本が「ロケット発射」に適している理由 54兆円市場を後押し
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日本は極東に位置し、東と南に広がる海に面した地理的優位を持つ。港湾・道路・鉄道・航空のインフラと製造業基盤を生かし、JAXAの種子島宇宙センターや民間宇宙港から安全にロケット発射が可能だ。世界の宇宙産業は54兆円規模で、2040年には140兆円に拡大すると予測され、日本市場も2030年代に倍増を目指す。地理、技術、制度の総合力で日本はアジア太平洋の宇宙拠点として存在感を増す。
世界射場比較に見る日本の地理優位
日本では南北方向の発射も可能だ。南側に広大な海が広がるため、安全性を確保しやすい。米国の場合、南向きは西海岸のバンデンバーグ空軍基地、東向きはフロリダ東海岸のケネディ宇宙センターを使う。西海岸と東海岸の距離は4000km以上あり、日本列島をすっぽり収めてもまだ足りないほどだ。宇宙開発で世界をリードする米国でも、同一地点から東と南の両方向へ打ち上げられる日本の立地は際立つ。
宇宙開発大国のロシアは、広大な国土を持ちながら海ではなく陸地に向けて発射している。主力のバイコヌール宇宙基地はカザフスタンから借用しており、将来的に極東のボストチヌイ宇宙基地への移転計画が進む。
欧州では適地がなく、欧州宇宙機関(ESA)は南米の仏領ギアナ宇宙センターを利用する。ギアナは赤道に近く効率的だが、欧州からのアクセスは悪く、周辺に関連産業が集積しているわけでもない。
新興国では、インドのサティシュ・ダワン宇宙センターが東と南に海を臨むアンドラ・プラデーシュ州シュリーハリコータに置かれている。