軽100kg減の衝撃! スズキの超軽量化戦略は「聖杯」か、それとも「パンドラの箱」か――EV時代の試練を考える

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スズキは2030年に向け、現行比100kgの車両軽量化を軸とした新技術戦略を発表した。燃費向上や加速性能改善に加え、インド市場での小型車競争力強化や社会課題対応を目指す、総合的モビリティ戦略だ。

軽量化で配送効率向上

 スズキは、地域の電力事情に応じた多様な選択肢を提供する「マルチパスウェイ」戦略を維持している。独自開発の次世代ハイブリッドに加え、2024年からは発電専用エンジンを搭載するシリーズハイブリッドの開発にも着手している。これを基にしたプラグインハイブリッドの開発も進めており、軽量化は各技術の基盤として機能する。

 こうした取り組みを通じ、部品だけでなくシステムや製造工程も共通化し、多様な車種展開の効率性を高めることが求められる。軽量化はマルチパスウェイ戦略の中核に位置し、戦略全体を支える役割を果たす。

 一方、スズキは

・物流人材不足
・地方の移動困難者への対応

といった社会課題の解決にも取り組む。物流ドライバー不足への対応として、ラストワンマイルの需要が高まっており、軽量化技術を活かした小型の自動配送車で効率的な小口配送が可能になる。

 また、地方の高齢者や移動困難者のため、誰でも便利に移動できる新しい交通手段の開発も進めている。これらを実現するには、地方自治体や物流企業との連携が不可欠だ。人とモノの移動をシームレスにつなぎ、より安全で効率的、かつ持続可能な社会インフラを構築することが求められる。

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