GRスープラが「市販終了後」も世界中のレースで増殖し続ける理由
なぜ生産終了が決まったクルマが、世界のサーキットで増え続けているのか? GRスープラは市販車としての役目を終えた後も新たな戦場で進化を続ける。単なる一台のスポーツカーではない、トヨタの思想を体現する“アイコン”へ。その名に込められた真の意味と戦略を明らかにする。
世界を席巻するカスタマー向けGR Supra

次に登場したのがGR Supra GT4だ。このモデルは、先に紹介した2台とは性格が大きく異なる。GR Supra GT4はTOYOTA GAZOO Racingが開発・販売するFIA GT4規格のレース専用車であり、世界のプライベートチームや個人ドライバーを対象にしている。
NASCAR仕様やGT500仕様が特定のレース専用に一から設計されたプロトタイプであるのに対し、GR Supra GT4は市販車を基に改造されている点が最大の特徴だ。位置づけはあくまでカスタマー向けの市販レーシングカーである。
FIA GT4規格は、プロのワークスチームが最先端技術を競うGT500とは異なり、アマチュアやセミプロが参戦しやすいよう設計されている。そのため、ベースは市販車であり、安全性と信頼性を高めつつ、サーキットで十分な性能を発揮できるよう手が加えられる。一般のチームや個人が購入できる点も大きな違いだ。
GR Supra GT4は2020年のデビュー以来、世界各国のレースで結果を残してきた。2023年4月には累計生産が100台に到達し、表彰台の獲得回数は通算500回を超えた。
高い信頼性と競争力を武器に、GR Supra GT4は世界のチームやドライバーに選ばれる存在となった。現在もTOYOTA GAZOO Racingのカスタマーモータースポーツ活動を支える中核モデルとして走り続けている。