運送業界で生き残るのは誰か? 法改正の波で明暗分かれる「法律依存経営者」のリスク

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ここ2年ほど、物流関連の法律が立て続けに改正されている。最初は懐疑的だった運送事業者も増えてきた。「法律さえクリアすれば安心だ」と楽観視する人もいる。しかし、本当にそれで安全なのだろうか。

運送業界淘汰の条件

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 では、今後淘汰されていく運送事業者とは、どのような会社だろうか。まず、「法律を遵守できない運送会社」という観点から考える。

1.長時間労働を是正できず、労務コンプライアンスを守れない会社
2.事業停止や車両停止などの行政処分を受けたことがある会社
3.ドライバーを含む従業員に適正な賃金を支払っていない会社(最低賃金遵守や荷役作業の対価支払いを含む)
4.安全管理体制が実効性を持たない会社
5.債務超過である、直近3事業年度が連続して赤字、税金や社会保険料を滞納しているなど、経営が健全でない会社

1~3は、多くの人が想像するブラック運送会社に該当する。前述の坂本氏は、2023年年頭所感で

「悪貨が良貨を駆逐することのないよう公平公正な競争の基盤を確立しなければならない」

と述べている。運送業界内部でも、ブラック運送会社の排除を望む声は大きい。

 では、4および5はどうか。4については、点呼や日常点検に加え、運輸安全マネジメント(安全方針の策定、目標設定、評価改善プロセスなど)が考慮される。

 さらに厄介なのは、5の経営の健全性(財務健全性)だ。2023年度決算では、運送事業収入を黒字化できた事業者は営業損益ベースで51%にすぎない。そのため、多くの会社が淘汰の対象となる可能性がある。

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