運送業界で生き残るのは誰か? 法改正の波で明暗分かれる「法律依存経営者」のリスク

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ここ2年ほど、物流関連の法律が立て続けに改正されている。最初は懐疑的だった運送事業者も増えてきた。「法律さえクリアすれば安心だ」と楽観視する人もいる。しかし、本当にそれで安全なのだろうか。

運送業界の“安泰神話”

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 先日、60代の運送事業者社長と雑談をしていたときのことだ。

「正直にいえば、ここまで運送事業者を守るための法整備が進むとは思わなかった。これから法律を守ったホワイトな経営をしていれば、自ずとわれわれは安泰だろう」

と話し始めた。ここまでいう人はまだ少数だと思う。しかし政策に期待する運送事業者は確実に増えてきていると感じる。2023年3月、当時の岸田内閣が物流革新政策を打ち出した際には、

「もともと運送事業者を苦境に陥れたのは、1990(平成2)年に施行された物流2法による政策の失敗(認可制から届出制への変更)であり、今回も信用はできない」

と断言する事業者もいた。筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)の肌感だが、特に事業許可更新制度や適正原価の導入に関しては、これは運送業界を変えるかもしれないと期待を寄せる事業者や物流関係者が増えてきたように思う。

 しかし、法律さえ守れば安泰という考え方は非常に危険だ。今回の一連の法改正について、政府は明言しないものの、

「増えすぎた運送会社を適正数まで減らす」

という思惑があると考えるべきだ。これは、1990年の物流2法改正で約4万社だった運送事業者が、現在は約6万3000社に増えていることを背景としている。運送業界自身も、この調整を望んでいる部分がある。

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