運送業界で生き残るのは誰か? 法改正の波で明暗分かれる「法律依存経営者」のリスク

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ここ2年ほど、物流関連の法律が立て続けに改正されている。最初は懐疑的だった運送事業者も増えてきた。「法律さえクリアすれば安心だ」と楽観視する人もいる。しかし、本当にそれで安全なのだろうか。

多重下請構造の試練

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 事業許可の更新ができないだけではなく、物流関連法の影響で経営が立ち行かなくなる運送事業者も出てくるだろう。

 当媒体では何度か記事にしてきたが、多重下請構造の是正は、これまで下請けの立場に甘んじてきた運送事業者にとって試練となる可能性がある。勘違いしている人も多いが、
・多重下請構造が制限されること
・下請け事業者が救われること

は同義ではない。

 端的にいえば、下請けに甘んじるのは営業力が不足している会社が多い。営業力のない会社が仲間の運送事業者に頼れず、「自分で仕事を探せ」と突き放されれば、経営は立ち行かなくなる。いわば

「野垂れ死に状態」

に陥ることも想像に難くない。ドライバーに長時間労働を強いる運送事業者のなかには、「ウチが運ばなければ荷主が困る」という経営者もいる。例えば地方の青果や鮮魚を運ぶ会社では、「鮮度が落ちたら価値が下がる」として、コンプライアンスを守れば3日かかる輸送を2日で行うケースがある。こうした経営者ほど、

「周りの運送事業者は長距離から次々に撤退している。だから私が長距離輸送を守らなければならない」

という。善意はあっても、経営者としては失格である。

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