なぜ渋滞は「トンネル」で起きるのか? 年間約12兆円の経済損失を生む“見えない敵”の正体

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高速道路のトンネル渋滞は、年間約12兆円の経済損失を生み、車両混雑や事故リスクも増大する。大型車比率38%やEV・自動運転の増加が速度低下を招くなか、構造改善とITS活用など総合対策が急務となっている。

12兆円規模の経済損失

意外と大きい経済面へのインパクト(画像:写真AC)
意外と大きい経済面へのインパクト(画像:写真AC)

 トンネル渋滞は単に所要時間を延ばすだけではない。経済面や社会面にも深刻な影響を及ぼす。

 最大の問題は経済損失だ。日本ではひとりあたりの年間渋滞損失時間が乗車時間全体の約4割を占めるとされる。具体的には年間約40時間を渋滞で失っている。これを貨幣価値に換算すると

「約12兆円」

およそ280万人分の労働力に匹敵する規模である。

 渋滞は事故リスクも高める。警察庁の統計によれば、2023年の交通事故のうち約6割は時速20km以下の低速走行時に発生している。数字には一般道も含まれるが、高速道路の渋滞走行も該当する。

 実際、最近では高速道路上の電光掲示板に「渋滞時の追突注意」が頻繁に表示されている。事故が起これば当事者の経済的・社会的損失に加え、さらなる渋滞拡大を招き、後続車に大きな影響を与える。

 国土交通省が公表した2019年の高速道路渋滞ランキングを見ると、

・東名上り線 海老名JCT~横浜町田インターチェンジ(IC):172万人/時間(1位)
・東名下り線 横浜町田IC~海老名JCT:111万人/時間(4位)
・中国道上り線 西宮山口JCT~宝塚IC:49万人/時間(20位)

となった。いずれも大和トンネルや宝塚トンネルを含む区間だ。上位区間には長大トンネルを抱える路線が目立ち、トンネルと渋滞の深い関係を裏付けている。

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