トラックの最高速度引き上げが「大気汚染」を招く? 米国研究が突きつけた、日本の不都合な真実
日本で2024年、高速道路の中大型トラック最高速度が80km/hから90km/hに引き上げられた。物流効率化の狙いがある一方、米国の研究は速度引き上げが都市部の大気汚染を悪化させる可能性を指摘する。
一酸化炭素増加の背景と速度規制

研究チームは計測機器を直接道路に持ち込み、自動車の走行中に排出される一酸化炭素と二酸化炭素の量を測定した。
測定は両都市の夏季、特にドライバーが多い日中に行われた。研究者は車載式排出ガス分析装置を用い、10日間にわたり1日約5時間、高速道路を走行した。風や交通量の変動、霧などの影響も考慮した。
二酸化炭素は環境に有害だが人体には比較的無害である。一方、一酸化炭素は体内の酸素運搬を妨げ、中毒のリスクがある。
「私たちは、一酸化炭素(CO)が空気中にどれだけ含まれているかに関心がありました。吸い込むと体に害を及ぼすからです。COはオゾンなど、大気中の他の化合物と相互作用し、肺に直接ダメージを与えます」(ホプキンス氏)
すべての内燃機関は二酸化炭素を排出するため、研究者は一酸化炭素と二酸化炭素の比率「CO/CO2比」を使い排出傾向を定量化した。ロサンゼルスでは2013年から2019年にかけ、この比率が年間約8%減少した。
「触媒コンバーターと規制のおかげで、特にここカリフォルニアでは車はよりクリーンになりました。しかしソルトレイクシティ地域では、二酸化炭素に比べて一酸化炭素の排出量が驚くほど増加しています。最も可能性の高い原因は、速度制限の引き上げです」(ホプキンス氏)