高速道路は“NEXCO”だけじゃない! 「首都高」「名高」「阪高」が都市経済に数兆円の影響を与える根本理由
日本の都市経済を支える都市高速は、首都高・名古屋高速・阪神高速で総距離700km超、年間経済効果は数兆円規模に達する戦略インフラだ。通勤や物流、災害対応まで幅広く機能し、都市圏の競争力と経済価値を底支えしている。
首都高が生み出す累計300兆円の経済効果

首都圏は日本最大の都市圏であり、その成長を60年以上にわたり支えてきたのが首都高だ。1962年の初区間開通以降、路線は拡大を続け、経済効果も年々拡大していった。
古いデータではあるが、2015(平成27)年までの累計経済効果は約300兆円に達する。同年には年間で約12兆円を生み出している。効果の内容は、移動や輸送時間の短縮、労働生産性の向上、新たな地域間取引の誘発、生産や消費の拡大、都市機能の高度化など多岐にわたる。
特に2015年3月、中央環状線の全線開通は大きな転機となった。年間経済効果は約6600億円にのぼり、交通分散を進めた結果、他路線の効率改善にもつながった。渋滞損失時間の推移をみると、2000年度は1日あたり5.83万台・時間だったが、2018年度には
「2.18万台・時間」
にまで縮小した。部分開通のたびに渋滞損失が減少してきたことが、全線開通の効果を裏付けている。
さらに、首都高は経済活動の広い範囲に波及している。中央環状線沿線には金融や商業が集積し、京浜・京葉の工業地帯には鉄鋼や石油化学、多摩地区には大手製造業、埼玉には製造業事業所が立地する。首都高はこうした産業の生産と物流を下支えし、都市圏の競争力を強化している。