率直に問う 「旧車」の魅力とは何か? 不便さを超えた所有価値を考える
旧車ファンの“至福の瞬間”を探るカレント自動車の調査では、56人のオーナーが旧車の魅力を多角的に語った。洗車やドライブ、故障修復の喜びが所有体験の中核であることが浮き彫りになった一方、日常的な不具合や制度の硬直性が旧車文化の存続に課題を投げかけている。経済的・制度的な支援策の必要性が急務であり、旧車を単なる趣味にとどめず、文化・技術・産業の社会資産として再評価する視点が求められている。
旧車文化に宿る社会価値

今回の調査に浮かび上がった「最高の瞬間」は、ノスタルジーや趣味の域にとどまらない。それは、工業製品に対して人が感情を重ね、所有や手入れを通じて技術や文化と接続する行為の積み重ねである。
しかし、そうした価値の蓄積に対し、現在の制度は無関心であり、市場の経済的評価も追いついていない。旧車を巡る営みは、ただの嗜好ではなく社会的な意味を帯び始めているにもかかわらず、その価値が制度的にも経済的にも適切に扱われていないのが現実だ。
「旧車文化」という言葉をレトロ趣味の一種として片付けるのではなく、人と機械の関係性を再考する社会的実験として捉える必要がある。そこにこそ、未来の移動体験をより豊かにするためのヒントがある。