「鉄道オタク=社会不適合者」は時代遅れ? “少子化ショック”の大学を救う、尖った知性の経済価値とは【連載】純粋鉄オタ性批判(5)

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鉄道オタクが大学入試の突破口になる時代が到来した。少子化で競争が激化するなか、全国の大学が「尖った個性」を求め、推薦型入試を拡充。SNSと教育改革が後押しする自己表現型オタクは、鉄道模型や撮り鉄の情熱を武器に地域活性や産業振興にも波及効果をもたらし始めている。

地方鉄道再生に挑む若き人財

グループダイナミクスのイメージ(画像:Pexels)
グループダイナミクスのイメージ(画像:Pexels)

 萩商工高等学校(山口県萩市)では、山陰本線の利活用をテーマにしたプロジェクトを展開している。工業科はミニチュア鉄道の制作を、商業科はそれを活用した地域活性イベントの企画を担う。まさに商工連携による課題解決型プロジェクトであり、実践的な学びの場になっている。

 こうした動きは他にも広がっている。産経新聞社は、大学生や高校生を対象に「地方鉄道×地方創生・ビジネスプランコンテスト」を開催する。鉄道の活性化を軸にしたアイデアを募集し、決勝大会は11月29日に幕張メッセで開かれる鉄道技術展内で実施される。

 鉄道をテーマに、若者の興味と地域課題が結びつく機会が着実に増えている。趣味と学びが接続され、オタク的関心が社会課題の解決に活かされる土壌ができつつある。この種の話題には、

「オタクは社会性に欠ける」
「活躍しているのは非オタクだ」

といった偏見も根強い。しかし、集団のなかで役割を果たすグループダイナミクスの視点から見れば、オタクの力を引き出せるかどうかは教育機関の設計次第である。

 とくに推薦系入試では、「とんがった博士ちゃん」的な人材を積極的に取り込もうとする動きがある。筆者自身、鉄道業界や自治体が主催する若年層向けの鉄道イベントで、数多くの鉄道オタクがプレゼンや発表に参加している場面を見てきた。

 参加者の多くは健全で、協働意識を持ち、仲間とともに鉄道の未来に向き合っている。趣味を強みに変え、公共性のあるテーマに向けて行動する若者たちは、今後の地域づくりや産業活性化の鍵を握る存在になり得る。

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